2014年に電子カルテシステムを導入され、その後も様々なIT化を進められています。
近年は医療DXを推進され、WEB問診の導入やスマホによる情報連携の促進、RPAの活用や顔認証技術・位置情報技術の実証実験など多岐にわたりデジタル化を進められています。
病棟看護業務においてもDX化として『Nurse Board』を活用されており、お話しを伺いました。
(左から山部かおる看護部長、石田洋昭看護師長、後藤美穂看護師長)
― Nurse Board(以下ナースボード)は電子カルテに登録されているタスク、処方や注射のスケジュールなど患者さんに関する情報を共有するというシステムですが、これまでと比べると情報共有や業務管理に変化はありましたか?
山部 電子化された画面に自動的に反映されるので省力化が実現できました。
看護師達は患者さんひとりひとりのワークシートを持っており、タスクを紙でチェックしながら漏れがないようにしているんです。
しかし、そのやり方では本人は分かるけど他の人は分からないし、進捗も周りからは見えませんでした。
ナースボードだと終了したタスクが分かるので他のスタッフからもこの患者さんはこの検査が終わったんだなということが分かるようになり、 情報共有がスムーズにできるようになりました。
患者さんは必ず病室にいるわけではないですし、いつも担当看護師がその場にいるわけでもないので、不在の場合でも画面を見るだけで患者さんの状況が分かるのはすごく便利だと思います。
石田 看護師だけではなく医師やリハビリの方などもナースボードをよく見ているので、他の職種の方とも情報共有ができるようになったことは良かったと思います。
複数の職種で構成されるチームで患者さんを看ているので、他の職種の方が同じ情報を持っていると話し合いもスムーズですし、問題解決も速いので、情報共有は重要なことだと思います。
山部 検査の後にリハビリを入れるなど計画も立て易くなりました。
― そういった情報をみなさんで共有することで、たとえば、医療事故を防ぐとか、患者さんをケアしないといけないタイミングでケアするとか、そういったところにも繋がってきますか?
石田 今までは毎日のスケジュールをホワイトボードに書き換えるという作業があったのですが、実際に手で書かなくて良いので書き漏れがなくなりました。
後藤 ナースボードには病院の課題でもある病床使用率が表示されるので必ず見ています。
また、これまでは医師からの指示を見落とさないよう、神経質に電子カルテを確認していましたが、ナースボードは新しく出た指示を音でお知らせしてくれるのでタイムリーに指示の発生に気づけるようになりました。
画面上にも「New」や「Upd」という文字が表示されるので、指示の追加や変更にすぐに気づけます。
山部 私がリーダーをしていた時は、医師から何か新しい指示がきているかもしれないという気持ちがいつもあり、お昼休みや医師が来ていた後に患者さんへの指示が出ていないかを確認していたのですが、今はナースボードで分かるようになったので、そういう先回りした動作はなくなりました。
― そのワンステップの作業が必要なくなったということは大きいですし、ストレス軽減にも繋がっていますね。ナースボードの導入で楽になったことなどはありますか?
山部 情報が可視化されるようになり、度々電子カルテの画面を覗き込んで確認しなくても分かるようになったので、そのあたりがとても良いと思います。
後藤 そうですね、入退院の予定や検査の予定等、様々な進捗状況が電子カルテを見なくてもナースボードの一画面でわかるので、パソコンを見る頻度は減りましたね。
― 医療DXの推進は今後も加速してくと思いますが、ナースボードで実現して欲しいことはありますか?
山部 これからの少子高齢化社会にはDX化は必要だといわれていますよね。
医療DXは医療サービスの向上と病院スタッフの負荷軽減を目的にしたものですから、少しでも私達看護師が楽になる機能が増えることを期待しています。
そして、私達もこれを機に業務環境を変えていく必要があると思っています。
山部 熊本市から車で約1時間の立地にあり、大津-阿蘇間トンネルを通行すれば阿蘇熊本空港から約30分で阿蘇に到着します。
阿蘇市は世界最大級のカルデラの中に位置しており、四季折々、阿蘇山の絶景を楽しむことができます。カルデラの北壁に位置する大観峰、田子山展望所そらふねの桟橋から望む阿蘇五岳(涅槃像(ねはんぞう))が素敵です。
火の国熊本を代表する観光スポットで、温泉地でもあり、あか牛やだご汁などのおいしい食材も一杯あります。
阿蘇医療センターは、阿蘇医療圏の中核病院として救急も積極的に受け入れています。
電子カルテやNurse Boardの導入、チャット機能を活用した医師との連絡、指示のやりとりなど医療DX化を積極的に推進しています。
阿蘇圏域は看護職が不足している地域です。阿蘇医療センターでも全国の看護職の皆様の応援をお待ちしています。
仕事と遊びの両立を考えている方、阿蘇の大自然が阿蘇ビバになりますよ。美味しい地の物を食し、温泉で癒やされてください。
自然豊かな阿蘇で一緒に働いてみませんか?
阿蘇医療センター様は阿蘇地域中核病院として、地域医療構想を軸に様々なIT化やIT技術を活用した実証実験も数多く進めていらっしゃいます。
弊社も電子カルテ導入以来の長いお付き合いをさせていただいておりますが、やりたいことをストレートに言っていただけますし、提供したものへの感想や評価も率直に言っていただけるので作り甲斐があります。
やはり喜んでいただけるのが私達の一番のやりがいですしね。
特にNurse Boardはお客様の声を反映し、バージョンアップしていくシステムですのでこれからも病院様と一緒にNurse Boardを育てていきたいと考えています。
SE :冨安俊亮(手前)